定額小為替の手数料が値上げされていろいろ工夫が必要なように思いますが、どのような節約法がありますか?
小為替を送るタイミングを工夫したり、普通為替を上手に使いましょう。
大規模な司法書士法人などでは、定額小為替(以下、「定額小為替」または単に「小為替」といいます)のストックをしているかと思います。
しかし、私のような微風で吹き飛んでしまうような事務所では、小為替のストックは、換金期間満了のため再発行に新たな出費がかさむ可能性が往々にしてあります。
そこで、この記事をご覧いただくことによって、効率的な戸籍の郵送請求の手助けになると思います。
なお、戸籍の請求については、こちらの記事も併せてごらんください。
定額小為替とは何か?
執筆時時点で市役所に対する戸籍の郵送請求(個人・専門家を問わず)に関し、その手数料の支払いは定額小為替によるものとされています。
いずれクレジットカード決済やペイジー決済などが対応するかもしれませんが、現段階では小為替を送るしか方法がありません。
定額小為替はゆうちょ銀行で販売されている為替です。主に少額の決済に利用されています。有効期限は、発行から6か月以内となっています。
種類は、50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類です。
発行から換金までの手順は、下記のとおりとても簡単です。
ゆうちょ銀行の窓口で、必要金額と手数料を支払い購入します。なお、窓口は16時で閉まりますのでご注意ください。
定額小為替は、普通郵便でも送ることができます。
受け取った側は、定額小為替を郵便局に提示すると、額面の金額を送ることができます。
定額小為替の手数料は、額面に関わらず1通200円です。
つまり50円の定額小為替でも、1000円の定額小為替でもその手数料は1枚当たり200円です。
かつては1通10円の時代があり、100円の時代を経て、現在は200円です。
小為替の有効期間が過ぎてしまった場合でも、再発行が可能です。再交付の手数料は1枚当たり200円です。
かつては期限切れであれば無料で再発行ができたのですが、現在は有料となっています。
定額小為替利用の戦略
少し前までは、手数料は100円でしたし、再発行手数料は無料でしたので、小為替の使い方についてよく考える必要はなかったのですが、200円となり再発行手数料の支払いが必要となったため戦略的に運用をする必要があると思います(私のような小規模事務所は特に)。
戸籍の取得に必要な金額が明らかな場合(例えば現在戸籍と戸籍の附票の取得)であれば、そのまま定額小為替を送ってしまいます。
後述のとおり申請書を送って別送で小為替を送る手もありますが、郵送代(84円)を削減するため、申請書と一緒に送ってしまった方がよいでしょう。
例えば亡くなった方の戸籍を取り寄せる場合は、多くの戸籍を取り寄せる必要があります。また、結婚などにより本籍地の変更があったりして、1つの市町村で完結しない場合も多々あります。
その場合、小為替を適当に送ることも可能ですが、足りなくなれば再送しなくてはなりません。
ですので、このような場合は、先に申請書を市町村に送り必要な金額を教えてもらい、定額小為替を送るようにしています。
確かに、郵送代84円は余計にかかりますが、この方式ですと小為替を余すことがありません。
また、後述するように小為替が3枚以上になるようであれば、普通為替を選択して経費を削減することもできます。
例えば、戦前生まれの方が亡くなった場合であれば、戸籍謄本・除籍謄本は通常3通以上は必要になると思われます。
定額小為替の有効期限が近い場合はどうすべきでしょうか?
かつては無料で再発行ができたので、郵便局にもっていき交換手続きを行っていましたが、現在は200円かかってしまいます。これは新規発行と同じ手数料額です。
この場合は、手数料の200円分の損失を被りますが、換金して額面金額の払い渡しを受ける方がいいと考えています。
いわゆる損切りですね。
普通為替を活用する
定額小為替は上記の定まった金額のものしか取扱いがありませんが、普通為替は任意の金額で発行してもらえます。
手数料は、1枚につき550円です(5万円以上は770円)。
そうすると、定額小為替が3枚以上必要とする場合は、この普通為替を利用したほうが手数料を安くできます。つまり定額小為替で必要な枚数が増えれば増えるほど、普通為替に切り替えた方がお得になります。
確かに、市町村のホームページには「定額小為替」を送るように指定がありますが、普通為替でも拒否されたりはしません。どちらも郵便局にもっていけば払い渡しが受けられるからです。
なお、普通為替は定額小為替と比べて、発行に若干時間がかかりますから、余裕をもって窓口にお越しください。
定額小為替の手数料が上がった結果、普通為替を使う場面も増えてきました。
なお、長野県の一部の自治体などでは郵送請求であってもカード決済可能なシステムを備えたりしていますので、改善されつつあります。