商業登記記録に旧姓の表記が認められるようになりましたが、申請書にはどのように表現すべきですか?
法務局の商業・法人登記の申請書様式では、同時に婚姻前の氏の記録の申出(以下、旧姓登記といいます)をする場合の書面による申請書の記載例が提示されているのですが、オンライン申請においては、オンラインプラットフォームに記載する場所がありません。
次のように「その他の申請書記載事項」の欄に記載します。
代理人の連絡先 012-345-6789 注1
原本還付書類につき、法務局窓口での受領を希望。 注2
下記の者につき、婚姻前の氏を記録するよう申し出ます。
なお、婚姻前の氏名を証する書面として、戸籍の全部事項証明書を添付します。
記
婚姻前の氏をも記録する者の資格及び氏名
資格 取締役及び代表取締役
氏名 甲野花子
記録すべき婚姻前の氏 乙野
注1の記載は、法務局の要請で連絡先を記載しています。
注2の記載は、原本還付があるときに記載します。
【結論に至った理由】
私が名古屋法務局に照会をしたところ申請書のどこかに記載があればよいとの回答を得ました。
なお、別紙登記すべき事項に
「資格」取締役
「氏名」甲野花子(乙野花子)
と記載と記載することも考えられますが、旧姓登記を希望する旨の申出を申請書に反映させる必要があるとのことですので、その他申請書記載事項で反映させるのが適切であるといえます。
なお、この旧姓登記を行う場合は、司法書士あるいは弁護士への委任へは「取締役甲野花子の婚姻前の氏の記録の申出の件」といった要領で独立した委任事項が必要となる点にご注意ください。
オンライン申請書で比較的自由に書くことができる欄は、その他申請書記載事項か別紙(登記すべき事項)のどちらかです。
このうち、別紙(登記すべき事項)の記載は、そのまま登記に反映されるということを鑑みると、「旧姓登記を希望する旨の申出」をここに記載することは好ましくないと考えました。
したがって、その他の記載事項に記載するべきであるというのが筆者の私見です。