最近コンビニのマルチコピー機で発行された印鑑証明書を登記申請に添付するケースが増えてきましたが、その真贋はどのように判定すればいいのですか?
真贋を判定する方法は1つしかありません。
しかし、工夫によって偽造を回避することもできます。
問題の所在
近年マイナンバーカードの普及により、コンビニのマルチコピー機で印鑑証明書や住民票を取得する方が増えてきちゃように思います。
市役所で発行される証明書は、地紋紙に印刷されますが、マルチコピー機から出力される証明書はA4の白紙のコピー用紙に印刷されます。
そうするとA4のコピー用紙に印刷するだけですから、偽造の難易度は低いと言えます。
地紋紙を用いる市役所発行の物と比べて偽造は容易なのです。
司法書士としては、依頼者を信じて登記申請をするのか、真正を確認してから登記申請をするのかの選択を迫られます。
そこで今回は証明書の真正を確認する方法を次にあげます。
赤外線カメラを使用して確認する
コンビニ証明書の裏側には、桜のマークが印刷されています。
この部分を赤外線カメラで確認すると、丸印に証という字が浮き出るような仕掛けがしてあるんです。
仮にカラーコピーが司法書士に提供されている場合であれば、証の字は浮き出ることはありませんので、判定は即時可能です。
また、法務局でも同じ方式で真贋判定をしているとの噂です。
司法書士向けの備品として赤外線カメラを売ってはいますが、結構高価です。
安く上げるには、赤外線カメラはドライブレコーダー等に多く搭載されていたので、AMAZONなどで販売されているドライブレコーダーを転用すれば良いのです。
しかし、近年のドライブレコーダーはセキュリティの問題があるのか赤外線付きの製品はあまり売ってはいません。
でも、よくよく探すとAMAZON内で赤外線カメラが販売しているのでそちらを利用すれば1万円以下で購入できます。
私は、ボイスレコーダー兼ビデオカメラの製品を使用しています。いかにも中華製といった感じのたたずまいですが、問題なく使用できています。
私はボイスレコーダー型の赤外線カメラを持っていますが、決済の現場での安心感が違います。
スキャナで画像診断をする
コンビニ証明書の裏面には、スクランブル画像が印刷されています。
この画像を指定された様式でスキャンして、下記のアドレスに放り込むと表面の画像が復号化され表示されます。前面の記載と同じものが出てくれば合格です。
ただし、この方法だとこの世界に原本があること(あったこと)の証明にはなりますが、原本かどうかの判断はできません。原本をカラーコピーしてできたものであっても同じように復号化できてしまうからです。
また、決済の現場などではスキャナとインターネット環境が必要なので、現場対応力は低めといわざるを得ません。
さらに指定された様式でスキャンしてもはじかれたりするので、結構ストレスが溜まります。
この方法はあまりお勧めしません。面倒くさいですから。
裏技 面前で証明書を取得してもらう
真贋判定というテーマからは外れますが、裏技があります。
決済の現場にコンビニ証明書をもって現れた依頼者がいた場合、コンビニまで同行し、再度担当司法書士の面前でコンビニ証明書の取得をお願いする方法です。
ただし、マイナンバーカードを所持しているということが前提となります。また、証明書の再発行代金は話の流れとして司法書士が負担することとなるでしょう。
原始的ですがいい方法だと思います。
比較表
赤外線カメラ | スキャナ | 面前取得 | |
使いやすさ | |||
正確性 | |||
追加投資 | |||
現場対応力 | |||
評価 |