オンラインストレージに申請データを保管し、そのデータを参照し申請用総合ソフトを使う方法を教えてください。また、そうするメリットも教えてください。
オンラインストレージにデータの内容を使い申請用総合ソフトを使う方法は簡単です。また、メリットはいろいろあります。
この記事が司法書士業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)の一助になればと思います。
そもそもオンラインストレージとは何か?
デジタルデータの保管場所は、従来はパソコンの中にあるハードディスクに保存していました。また、外付けハードディスクという手もあります。
ただ、パソコンハードディスクドライブが破損するとデータが一切なくなってしまうという致命的な欠点があります。また、原則としてパソコンが破損するとデータは取り出せません。
その後、会社内や事務所内にネットワークを構築して、ネットワーク内にあるNAS(大きなハードディスクのようなもの)に保存し、ネットワーク内からそのデータにアクセスをするという方法になりました。この方法だとファイルの共有も容易になります。
NASであれば、データの破損に備えバックアップがあることがほとんどでしょうし、ネットワーク内のパソコンであればデータの閲覧が可能です。
現在の司法書士事務所のスタンダードはHDDかNASであると推測できますが、これらには致命的な欠点があります。
しかし、ネットワーク外にある場合に、NASにアクセスすることはできません(やる方法はあるのでしょうが、司法書士の業界では大手と呼ばれる司法書士法人でさえも、そのほとんどは中小企業ですので、そこまでのネットワークを構築する体力はないのです。たぶん…)。
そこでオンラインストレージの登場です。オンラインストレージとは、インターネット上にデータを保管するサービスです。インターネット環境があれば、どこからでもデータにアクセスできるのです。
Microsoftが提供するOneDrive、Googleが提供するGoogle Drive、Dropboxなどが有名です。
オンラインクラウドにデータを置いておくと何が便利なのか?
インターネット環境があれば、どこでもアクセスできます。テザリングができるスマホを持っていれば、電波の入る場所であればどこでもアクセスできると言えます。
つまり、車の中からアクセスできたり、銀行で決済が終わった瞬間、電子申請を出せたりすることとなります。これは便利!
当事務所はまだスタートアップの段階ですので、現在従業員はいませんが、将来もし従業員が増えた場合もオンラインストレージに従業員のパソコンを接続させるだけで、ファイル共有ができることとなります。これは便利!
オンラインストレージはデータセンターが複数あることが多いようです。
Microsoft Onedriveだと、東京と大阪にデータセンターがあるようで、災害等でどちらかのデータセンターが障害が発生しても、もう一方でバックアップしてくれる可能性が高そうです。
パソコンの中にあるハードディスクだけの保管よりも安全だと言えそうです。また、バックアップを取る必要もなさそうです。これは便利!
私の独立に際し、当初はパソコンを自分で組み立てて、ハードディスクを2基体制にしRAID1を構築し、ミラーリング(1基のハードディスクを保存用、もう1基をバックアップとする)ようと考えておりましたが、オンラインストレージの方が安全で便利と判断し、オンラインストレージ方式を採用しました。
ハードディスク2枚必要となれば大がかりなパソコンになってしまいますが、今の私はペラペラのノートパソコン1台で済んでいます。これは便利!
弱点はセキュリティ
インターネット全体に言えることですが、コンピューターウィルスなどのセキュリティの懸念が常にあります。
対策としてはいろいろございますので、それはご自身で調べていただくとして、私は二段階認証をかけるなどして対策しています。
私評価としては、外付けのSSDやUSBメモリーのような落とす懸念があるものよりは、よっぽど安全だと考えています。
申請用総合ソフトをオンラインストレージからデータを参照する方法
ソフト作成者である法務省はこの方法を推奨しているわけではありません。自己責任でお願いします。
私はMicrosoftのワンドライブを使っていますので、ワンドライブでのやり方をご紹介します。
申請用総合ソフトのデータ(たいていはCドライブに「ShinseiyoSogoSoft」というデータがあると思います)をコピーし、ワンドライブのフォルダに貼り付けます。
このとき、切り取り+貼り付けだと、何かトラブルがあった場合データが復元できなくなる可能性もありますので、コピーアンドペーストをお勧めします。
大事をとるならUSBメモリー等にバックアップを取っておくことをお勧めします。
申請用総合ソフトを起動し、ツールをクリックし、オプションを開きます。
ファイルパスを設定をクリックし、参照ボタンを押します。
ここで先ほど貼り付けたワンドライブ上の「ShinseiyoSogoSoft」を選択・指定し、適用または設定ボタンを押します。
申請用総合ソフトを再起動すると参照先が変わり、オンラインストレージを参照するようになります。
以後はこの設定を変えない限りはオンラインストレージからデータを参照し、オンラインストレージ上にデータが蓄積されていきます。
データの移行作業は以上です。意外と簡単な作業ですが、データの破損にはくれぐれもご注意ください。
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